表現の自由と平和主義

〔集会、結社及び表現の自由と通信秘密の保護〕

第21条集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。


第2次世界大戦中と表現の自由

歴史的にみても世界的にみても、さらに我が国においても、戦争になると決まって国家権力によって制限されるのが表現の自由です。

 

第2次世界大戦中、言論統制が行われました。

  • 戦争の士気を低下させる弱気なことは新聞に書いてはならない
  • 新聞には戦争を鼓舞することを書け
  • 戦争に反対する内容の雑誌、詩、小説は書いても発行は認めない
  • 映画も戦勝につながるものは配給を認める

言論統制言論弾圧情報統制など国民の表現の自由や知る権利を侵害することが戦時中は平気で行われていました。

 

戦局が悪化してくると、負けてきてることを隠しあたかも快進撃を続けているかのようにまくりたて、将来有望な若者たちを徴兵して戦地に送り込んでいきました。

 

 

 

今後戦争を起こさないようにするための表現の自由の役割

もし近い将来戦争が起きた場合、これと似たことが十分考えられます。

しかし、現代社会において国民に情報を提供してくれるのは新聞だけではありません。

 

科学技術の進歩によってテレビは各家庭で当たり前の存在になって久しく、さらには2000年代以降はインターネットが普及してきています。スマートフォンでもスピーディーに情報を得ることが可能な時代になりました。

 

戦争が起こると、インターネットが遮断され、テレビや新聞も権力の言いなりのことしか書けなくなることも考えられます。

実際上、世界の国々の中には、自国にとって有害ともなりうる外国からの情報をシャットアウトしている国もあります。

 

国民は生の正確な事実を知り、国家権力が悪い方向に向かい出したらそれを止めさせる必要があります。

日本国憲法では、次の国政選挙でそういったひとたちを落選に追い込むことができます。メディアも国家の悪事を暴き、衆議院の解散につなげることができます。

 

表現の自由は、国民が政治に参加する際の生命線です。国民主権において表現の自由は切っても切れない不可分の関係にあります。

 

ときの政権が国民やメディアの表現の自由を制限することに対しては、絶えず目を光らせておく必要があります。

そのためには、メディアの表現の自由国民の知る権利は時の権力者に不当に制約されてはなりません。

 

もしメディアの表現の自由国民の知る権利を制限しようとする法律やさらには憲法改正が行われようとしたときは、この動きは絶対的に阻止しないといけないといえるでしょう。